お問い合わせ

TEL: 06-6969-8888

FAX: 06-6969-8884

E-mail: info@jc-yoshikawa.jp

営業時間

9:00 ~ 17:30 (平日)

定休日:土日、祝日

(※緊急要件は随時対応致します)

 12次5ヵ年規画(201115年)の概要

 

 温家宝首相は、2011年3月5日に開始された第11期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の「政府活動報告」の中で、第12次5カ年規画(1115年、以下、12・5規画)期のGDP成長率の目標を「成長の質と効率の向上を踏まえ、年平均7%とする」と述べ、11・5規画期の7.5%より低い目標を設定した

 

 また12・5規画の要目標である「経済発展モデルの転換の加速」につき、「内需拡大戦略を施し、消費と投資と輸出がバランスを取りながら成長する」ことを強調。今後は戦略的新興産業の育成、サービス業の発展、更なる省エネ・環境保護に注力していくと共に、国民所得をGDP成長率と同じペースで増加させること、社会保障制度を整備することなど、所得分配を通じて国民生活(民生)を改善する方針を明確に示した。12・5規画の概要とこの中で示された具体的目標値を考察する。

 

1.11・5規画の目標達成状況と政府の課題認識

温家宝首相は政治活動報告の中で11・5規画期の成果について、「GDP成長率は年平均11.2%増となった。都市部住民の1人当たり可処分所得と農村住民の1人当たり純収入は、それぞれ平均9.7%と8.9%伸びた。社会保障システムも逐次整備されている」と述べ、金融危機の影響を最小限に抑え、11・5規画の要目標と任務をほぼ達成できたことを強調した

 

12・5規画期における7つの主要目標と任務

これら11・5規画の成果と反省を受け、温家宝首相は12・5規画における要目標と任務として以下の7項目を挙げた。期間中の年平均成長率を7%とすること、所得増加率をGDP成長率並みに増加させること、民生改善など、具体的な目標値を示した。12・5規画の要目標と任務のな内容は、以下のとおり。

  

①経済発展の水準を新たな段階に引き上げる

     ・年平均GDP成長率を7%とする。

     ・マクロコントロールを引き続き強化し、物価総水準の基本的な安定を維持する。

     ・内需拡大戦略を施し、消費、投資、輸出のバランスがとれた経済発展モデルを構築する。

 

②経済発展モデルの転換と経済構造調整を加速する。

     ・製造業の高度化に取り組み、戦略的新興産業を育成・発展させる。

     ・GDPに占めるサービス業の比率を4ポイント引き上げる。

     ・都市化を推進し、その比率を47.5%から51.5%に引き上げる。

     ・インフラ整備を引き続き強化する。

     ・現代農業を発展させ、新農村建設を加速する。

     ・基本的公共サービスの均等化を逐次する。

 

③社会事業の発展に注力する。

     ・教育を優先的に発展させ、全国民の教育水準を向上させる。

     ・イノベーションを推進する。

     ・GDPに占める研究開発費を2.2%に高める。


④省エネと環境保護を推進する

     ・一次エネルギー消費量に占める非化石燃料の比率を11.4%に引き上げる。

     ・GDP単位当たりのエネルギー消費量を2010年比で16%削減する。

     ・GDP単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で17%削減する。

     ・要汚染物質の排出総量を8~10%低減する。

 

⑤国民生活を全面的に改善する。

     ・今後5年間に都市部の新規就業者数を4,500万人増加させる。

     ・多種類の分配方式が併存する分配制度を堅持し、経済成長と同じペースで国民所得を増加させる。

     ・第1次分配における労働報酬のウェイトを引き上げ、合理的な所得分配の枠組みを形成する。

     ・都市部住民の一人当たり可処分所得と農村住民の一人当たり純収入の年平均伸び率を、それぞれ7%超とする。

     ・都市と農村の基本養老、基本医療保障制度を全国的に広げる。

 

⑥改革開放を全面的に深化させる。

     ・経済体制改革を推進し、政治体制改革を積極的かつ着に行う。

 

⑦政府改革を強化する。

    ・断固として政府腐敗を取り締まり、国民の権利・権益を保障し、社会の公平や正義を守る。