お問い合わせ

TEL: 06-6969-8888

FAX: 06-6969-8884

E-mail: info@jc-yoshikawa.jp

営業時間

9:00 ~ 17:30 (平日)

定休日:土日、祝日

(※緊急要件は随時対応致します)

GDP世界第2位へ

 

 2010年に入ると、不動産価格とインフレへの対応が経済面の重要課題に浮上していた。1月、2月と続けて、大手行の預金準備率が引き上げられた。不動産については国務院が4月17日、「一部の都市の住宅価格の行き過ぎた上昇の抑制に関する通知」(国発[2010]10号、国十条)を発表し、住宅購入の戸数によって、頭金や金利といった貸出条件に異なる制限が課されることとなった。具体的には、自家用の建築面積90平米以上の家を初めて購入する家庭については、頭金の比率を最低30%とする。2軒目に購入する家庭に対しては、頭金の比率を最低50%とし、貸出金利も最低で基準金利の1.1倍とする。3軒目以降の家庭については、頭金の比率も基準金利に対する貸出金利の倍率も大幅に高める。その具体的な内容は、商業銀行がリスク管理原則に基づき自的に決めるとされた。

 

 5月には再度、大手行の預金準備率が引き上げられた。以後秋口まで、不動産市況は頭打ちの状況が続いた。一方物価は、消費者物価指数の目標は「3%前後」であったが、5月に3.1%を記録すると、1カ月おいて7月以降は3%超が常態となった。1012月に開催された中央経済工作会議において、翌年の政策のポイントは物価上昇の抑制と確認された。

 

 10年の中国の成長率は10.3%を記録した。季節調整値がない中国の場合、成長率といえば前年同期比である。09年が尻上がりであったため、10年は尻下がりになると見られていたが、第3四半期の鈍化は小幅で、第4四半期に至っては伸びが高まる結果となった。この年、中国の経済規模は、日本を抜いて世界第2位となった。しかし、GDP規模世界第2位を喧伝するそぶりを中国は見せない。11年に始動した第12次五カ年規画では、年平均成長率の目標が11・5規画の7.5%から7.0%に引き下げられた。11・5規画同様、成長率はノルマ(拘束性目標)ではなく目安(所期性目標)に過ぎない。10年の成長率は10.3%であり、11年の目標8%は全くといってよいほど難しい目標に見えない。見方を変えれば、11・5規画の新機軸であった成長の質の向上は途半ば、あるいは緒に就いたばかりであり、12・5規画においても最重要課題として引き継がれている。