8月31日
商務部は8月22日、「2012年第2回レアアース輸出割り当てに関する通知(商務部函[2012]第627号)」を発表した。これにより、12年の割当量は累計3万996トンと11年12月時点の想定にほぼ等しく、前年比で2.7%増となった。
8月28日
温家宝首相は8月14〜15日、浙江省を視察し、経済・社会発展の目標実現について、その条件も力も持ち合わせており、十分に実現できるので自信を持つ必要があると述べた。経済成長率が社会の安定に必要不可欠といわれた8%を割り込んできたにもかかわらず、政府の経済政策に大きな動きがみられないのはなぜか。雇用情勢が悪化していないため、目先の成長率を引き上げることよりも、「ルイスの転換点」後に向けた構造転換が優先されているからのようにみえる。
8月27日
北朝鮮の張成沢国防委員会副委員長は8月14日、北京を訪問し、北朝鮮の羅先経済貿易区と黄金坪・威化島経済区の中朝共同開発に関する実務的な協議を行った。開発は順調とされるものの、「課題が多い」と話す中国関係者もいる。企業の対北朝鮮投資の動きがみられる一方で、失敗事例も報道されている。
<2経済区への投資促進を確認>
張副委員長は8月14日の北京訪問で、北朝鮮の羅先経済貿易区(注1)と黄金坪・威化島経済区(注2)の中朝共同開発に関する実務的な協議を行う「中朝共同開発・共同管理連合指導委員会第3回会議」に参加した。同会議は張副委員長と中国商務部の陳徳銘部長が共同で主催した。
同会議では、両経済区の開発について実務面での作業を進めていく段階に入ったとし、両経済区の管理運営を担う「管理委員会」の設立が決定された。また、管理委員会の運営、経済技術協力、農業分野協力、羅先地区への電力供給、工業園区の建設などに関する協議書が締結され、地区内のインフラ整備を進め、企業の投資を促進することが確認された。
<張副委員長が省トップとも実務協議>
会議終了後、張副委員長は吉林省長春市へ移動し、同省の孫政才書記と会談した。孫書記は「2011年6月に羅先経済貿易区の共同開発事業がスタートして1年余りが経過したが、両者の協力は非常に順調だ」とし、北京で行われた第3回会議において、吉林省と羅先特別市間で締結した一連の協議内容を実行して、より大きな成果を挙げるように努めるとした。
張副委員長はまた遼寧省瀋陽市で同省の王珉書記、陳政高省長とも会談し、黄金坪・威化島経済区の順調な開発状況を双方で確認するとともに、今後の発展に向けて努力するとした。
8月17日には再び北京へ戻り、胡錦涛国家主席、温家宝首相とそれぞれ会見し、中朝間の貿易投資交流促進や両経済区の開発推進について意見交換を行った。胡国家主席との会見には、遼寧省の王書記、吉林省の孫書記も同席した。
<経済区開発の進展以外の思惑も>
張副委員長の今回の訪中に関して、黒龍江省社会科学院関係者は、北朝鮮が中国との関係を引き続き重視し、中朝経済交流の積極的な促進を表明するためという一般的な見方に加えて、中国に対するさまざまな援助の要請、北朝鮮政府幹部の研修・北朝鮮労働者の派遣などに関する新たな提携モデルの構築、金正恩国防委員長訪中のための根回しという目的もあった可能性を指摘する。北朝鮮政府の幹部研修については、既に長春市、遼寧省大連市で実施されており、北朝鮮から中国への労働者派遣も拡大していく流れにあるが、人材管理面などで負担が大きく、積極的でない地方政府もあることから、今後の対応についての話し合いが持たれた可能性がある。
<インフラ整備など多い課題>
順調とされる羅先経済貿易区、黄金坪・威化島経済区の中朝共同開発だが、課題が多いとする意見もある。
北朝鮮問題専門家である中央党校の張●(王へんに2点しんにょうの連)瑰教授は「黄金坪は泥砂が堆積した川中島で、インフラ整備には大量の資金が必要だ。また国境に位置していることから安全保障上の問題もあり、開発には時間がかかる」と指摘した。(「南方日報」8月15日)。隣接する遼寧省丹東市政府関係者は「黄金坪・威化島経済区では、開発に向けての目立った動きはない。経済区で中朝いずれの政策や法律を適用するかや、利益の配分、軍隊の派遣問題などを詰めている状況」という。
羅先経済貿易区に関しても状況は大きく変わらない。吉林省延辺朝鮮族自治州琿春市の政府関係者は「羅先経済貿易区では既存の事業が継続されている以外、新規企業進出で目立った動きはない。北朝鮮の政治の不安定さや、法律の不備など投資環境の不安定さが、投資を考える企業の決断を遅らせている」としている。
<大手企業で投資失敗のケースも>
羅先経済貿易区への企業進出に関しては、吉林省経済技術合作局の李哲書記が「既に10社ほどの中国国有企業、大手民間企業が投資をしており、その中には香港招商集団の港湾建設、北大荒集団(黒龍江省)の農業栽培、緑地集団(上海)のインフラ建設プロジェクトなどが含まれる」と話す(「吉林新聞網」8月20日)。
香港招商集団の動向については、羅津港の第1埠頭から第3埠頭について50年の租借開発権を取得した(「環球報」8月14日)ほか、緑地集団副総裁が北京での第3回会議に参加し、インフラ建設に続き資源開発も検討中(「人民網」8月17日)とされている。
こうした個別企業の動きがみられる一方、先ごろ、中国トップ500社に数えられる遼寧省の西洋集団が北朝鮮投資に失敗したというニュースが中国内外のメディアをにぎわしたように、大手企業でも対北朝鮮投資に失敗した例も明るみに出ている。「北朝鮮への投資を考える企業に警鐘を鳴らした報道で、今後進出する際はリスクを十分考える必要がある」と先の黒龍江省社会科学院関係者は話す。
(注1)羅先経済貿易区は北朝鮮東北部の羅先特別市にある。同特別市は羅津、先鋒の2地域が合併し羅先と改称された。中国吉林省延辺朝鮮族自治州琿春市にある圏河税関から羅先特別市の羅津港までは約50キロ。
(注2)黄金坪・威化島は、ともに中国・北朝鮮国境沿いの鴨緑江河口(新義州)にある北朝鮮領の島(中州)。
8月19日
国家発展改革委員会は8月19日、「省エネ製品恵民プロジェクト薄型テレビ普及
目録(第2次)」を公布した。22社の液晶テレビ1,541モデル、プラズマディス
プレーテレビ13モデルを対象に、1台当たり100~400元の補助金が支給される
(国家発展改革委員会、8月19日)。
8月16日
海関総署の8月10日の発表によると、2012年7月の輸出額の伸び率は前年同月比1.0%と5、6月の2桁増から大きく鈍化した。前年7月の水準が高かったことも影響している。1〜7月期の貿易総額の伸び率も前年同期比7.1%に鈍化し、2012年の目標である年間10%増の実現は難しくなった。
工業情報化部は2012年7月26日付で、「レアアース業界参入基準」(以下、参入基準)を発表し、レアアース採掘・製錬・精錬企業に対し、生産規模、環境保護など8つの分野で参入条件を設けた。レアアース弁公室の賈銀松主任は、「参入基準」の実施によりレアアース生産能力は約2割減になる、との見通しを示した。
2012 年1~7月における中国の対外直接投資額(金融類を除く)は前年同期比52.8%増の422 億2,000 万ドル。国・地域別では、香港向け投資が同67.7%、ASEAN が同36.0%、米国が同29.6%それぞれ増加した一方、オーストラリア向けが同43.3%、日本が同25.7%それぞれ減少した。7月末時点での累計対外投資金額は3,643 億ドル(商務部、8月16 日)。
8月13日
国家統計局の2012年8月9日の発表によると、7月の生産活動・消費・投資は6月に比べ目立った回復がみられなかった。生産者物価指数(PPI)は前年同月比マイナス2.9%と下落幅の拡大が続き、消費者物価指数(CPI)上昇率は1.8%と30ヵ月ぶりに2%を割り込んだ。インフレ懸念が後退する中、製造業企業は減益となり、金融緩和の余地は大きいとみられている。
財政部は、2012年7月31日付で「北京など8省市における交通運輸業と一部の現代サービス業の営業税を増値税徴収に改める試験地域に関する通知」(財税[2012]71号)を発表した。試験地域に選定された8地域は順次、営業税を増値税に移行する。
8月10日
EU司法裁判所は7月19日、対中アンチダンピング(AD)に関する訴訟で、実質的に中国企業の主張を認める第一審判決を支持し、欧州委員会の控訴を棄却する判決を下した。これを受け、EUは再度調査をした上で、既に支払われたAD税の一部を還付しなければならない。
8月9日
3年前の中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の議長国で、6年間にわたり共同運営国を務めてきたエジプトは、中国がアフリカ諸国の関係を構築する重要な役割を担っていると表明した。モルシ大統領は訪中しなかったが、アムル外相がスピーチを代読し、次回の議長国・共同運営国である南アフリカ共和国にバトンを渡した。
8月6日
中国第一財経日報は6日、「“2012中国商業銀行競争力評価”の報告書によると、中国の5大銀行2012年末までに2447億元(約3兆円)、2013年末までに3402億元(約4兆2千億円)の資本不足に直面する」と報じた。
8月2日
中国政府は、長期休暇期間における小型乗用車(定員7人以下)および二輪車の通行料を無料とする方案を2012 年7月24 日付で各政府部門および地方政府に通知した。8月2日に中国政府のウェブサイト上で公表した。これにより、春節、清明節、労働節、国慶節を含む法定の祝祭日においては、祝祭日開始日の午前0時から最終日の午後12 時まで、高速道路を含む有料道路の通行料が無料となる。他方、各地の空港を結ぶ高速道路(空港高速道路)の通行料については、無料化の判断を各地方政府に委ねた。
8月2日
2012 年上半期における中国の企業総数は前年同期比4.4%増の1,308 万5,700 社、登録資本金は同6.9%増の77 兆2,000 億元。うち内資企業数は同4.7%増の1,264 万8,900 社、登録資本金は同7.4%増の65 兆9,000 億元。一方、外資系企業数は同2.2%減の43 万6,800 社と減少、一方、登録資本金は同3.7%増の11 兆3,000 億元となった。なお、12 年上半期における外資系企業の新規登録数は前年同期比10.7%減の1万7,800 社、登録資本金は同22.2%減の3,600 億元といずれも減少した。(国家工商行政管理総局、8月2日)